7月5日投開票の東京都知事選に絡み、東京新聞は26〜28日、世論調査を実施した。来夏に延期された東京五輪・パラリンピックについて、中止や再来年以降への再延期を求める回答が51・7%に上り、半数を超えた。一方で、来夏の開催を求める回答が46・3%となり、意見が割れる結果となった。(小倉貞俊)

 五輪・パラの開催を巡っては「中止」が27・7%で、「再来年以降に再延期」が24・0%。一方、「簡素化、無観客など運営方式を見直して開催」が31・1%と最も多く、「計画通りに開催」(15・2%)を加えると、半数近くが来夏の開催を求めている。
 年代別では、30代以下の6割弱が来夏の開催を求めているのに対し、40代以上は、中止や再延期が6割近くに上った。
 選挙戦では、現職小池百合子氏(67)が来夏の開催を掲げており、宇都宮健児氏(73)は中止を含めた早期の判断を、山本太郎氏(45)は中止を主張。小野泰輔(46)、立花孝志(52)の両氏は再来年以降への延期を訴えている。
 一方、都の新型コロナウイルス感染症対策について「ある程度評価する」と「大いに評価する」が合わせて70・7%で、「あまり評価しない」「全く評価しない」の計28・3%を大幅に上回った。年代別では30代以外の幅広い世代で都の対策を高く評価する傾向が出た。

 コロナ対策で都に最も望む施策についての質問では、「PCR検査や保健所の態勢強化」が30・3%と最も多かった。年代別では、感染すれば重症化のリスクが高い60代以上で最多の4割を占めた。次いで「医療機関への支援」の20・7%、「積極的な情報開示」15・9%、「景気・雇用・貧困対策」の10・0%などだった。
 調査は共同通信と東京MXテレビと行い、都内の有権者を対象にコンピューターで無作為に選んだ番号に電話する方法で、1030人から回答を得た。
 世論調査の詳報は30日朝刊に掲載します。

◆小池氏が他候補引き離す
 世論調査では都知事選に関する情勢を分析した。再選を目指す現職の小池百合子氏(67)が他候補を大きく引き離し、安定した戦いを繰り広げている。立憲民主、共産、社民が支援する元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)が続き、れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)、元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)=維新推薦=が追う展開。ただ3割弱が「まだ決めていない」としており、情勢は変化する可能性がある。
 小池氏は自民支持層や公明支持層の7〜8割超を固める。さらに立民、国民、維新の支持層の4〜6割、支持政党なし層の6割など幅広く支持を集め、共産支持層の2割にも食い込む。
 宇都宮氏は、共産支持層の6割を押さえるが、立民支持層の支持は2割にとどまる。山本氏は、れいわ支持層の6割を固め維新支持層にも食い込むものの、支持政党なし層を含むそれ以外の層には浸透しきれていない。
 小野氏は維新支持層の支持が1割程度にとどまる。NHKから国民を守る党推薦の立花孝志氏(52)は、支持に広がりを欠く。
 都知事選について「大いに関心がある」は36・4%、「ある程度関心がある」は51・2%だった。(岡本太)
 お断り 本紙など3社の電話調査は調査の信頼性を確保するため、幹事社の共同通信の担当者が調査に立ち会い、オペレーターと回答者のやりとりを確認しました。また調査終了後には詳しいデータの提供を受け、内容をチェックしました。産経新聞とフジテレビの合同調査で今月、調査会社から業務の一部を再委託された業者の不正が発覚しましたが、本紙などの委託先は別の調査会社で、再委託がないことも確認しています。

東京新聞 2020年6月29日 05時55分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/38504