世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は13日の記者会見で、世界で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況について「あまりにも多くの国が、間違った方向に向かっている」と指摘し、感染拡大防止に向けた対策を徹底するよう各国の指導者に求めた。

 世界の感染者数は米国が最多で、ブラジルがその次に多い。テドロス氏は、米大陸が依然として中心地となっているとした上で、名指しはせずに「指導者の曖昧なメッセージが、ウイルスへの対応に最も重要な信頼という要素を損なっている」と批判。こうした状況を見過ごせば「事態は悪くなるばかりだ」と強調した。

 一方、WHOは中国入りした新型コロナの発生源を突き止める調査チームの先遣隊について、今回は現地調査をしないと明らかにした。

 WHOで緊急事態を統括するライアン氏によると、先遣隊のメンバー2人は現在、中国国内で隔離中のため中国側の専門家や保健当局者らと、今後の調査の進め方などについて通信手段を用いて遠隔で協議している。

 WHOの新型コロナ対策技術責任者バンケルコフ氏は、近年流行した中東呼吸器症候群(MERS)は発生源がヒトコブラクダだと考えられているが「突き止めるのに1年以上かかった。何が分かっていて、何が課題なのかを整理することが必要だ」と述べた。【パリ久野華代】

7/14(火) 10:49
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