4連休明けの27日、野菜取引は仕入れ意欲が収まり高値疲れも出たが、梅雨明けの遅れによる品薄から相場は高止まりとなった。関東以北が主産地の果菜類などで品薄高が顕著。気象庁によると高値をもたらした日照不足は、東北、関東甲信、東海、北陸で8月初めまで続く見通しだ。

 各地区大手7卸のデータを集計した日農平均価格は野菜全体の7月下旬(27日まで)の平均価格が、1キロ213円と平年(過去5年平均)の43%高となった。東日本は週内まで大幅な増量は見込めず、底堅い相場展開となる見通しだ。

 品薄高が顕著なのは、果菜類。下旬の日農平均価格は、ナスが1キロ479円と平年の62%高、キュウリも1キロ363円と53%高。ともに、既に品薄基調だった中旬から10〜20%上昇した。

 両品目とも、例年は7月下旬から8月盆にかけて最盛期を迎える。

 JA全農ぐんまによると「ナスは、大雨続きで落ち込んだ中旬と比べ、増加基調にある」という。それでも、平日の出荷は日量約6000ケース(1ケース5キロ)と「平年よりも2割少ない」(同)状況だ。キュウリも同様の傾向で、JA全農福島は「今週の増量はまだ緩やか。一気に増えるのは8月以降になる」と見通す。

 首都圏や関西に200店舗以上展開するスーパーは、果菜類は例年の2、3割高で販売する。それでも「相場通りに設定すると手が出なくなる。利幅を抑えて販売している」という。

 27日の取引は4連休明けで仕入れ意欲が収まった。だが東京都内の卸売会社は「主産地の関東以北は週内は日照が少なく、高値疲れはあるが週内の値下げは小幅にとどまる」と見通す。

 気象庁は全国的な日照不足は8月初めまで続く恐れがあるとして農作物の管理に注意するよう呼び掛けている。同庁によると、気圧の谷や、暖かく湿った空気が流れ込む影響で大気の状態が不安定となり、今後少なくとも1週間は東北、関東甲信、東海、北陸を中心に曇りや雨のぐずついた天気が続く。近畿から九州は29日ごろから高気圧に覆われやすくなり、晴れる日が多くなる見込み。

鶏卵は低迷

 一方、鶏卵価格は低迷している。27日のJA全農たまごのM級基準値(東京)は、前回22日の取引から10円安の145円と過去5年の最低水準に落ち込んだ。

 コロナ禍で飲食店など業務・加工筋の需要が落ち込んでいた中、「感染再拡大への懸念が需要の戻りを鈍くしている」(東日本の流通業者)。産地では生産調整の取り組みも進むが、需要減の影響が大きく、5月以降、平年を下回る展開が続く。
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