世界貿易機関(WTO)は29日、スイス・ジュネーブの本部で紛争処理機関(DSB)の会合を開き、日本が発動した半導体材料の輸出管理厳格化をめぐり韓国が要請した紛争処理小委員会(パネル)の設置を決めた。日韓の貿易紛争は、2国間の対話から国際機関による調停手続きに移行。政治的な緊張が高まる中、両国の対立は一段と深刻さを増すことになる。
パネルは裁判の一審に相当し、WTO加盟国・地域のうち賛成が一つでもあれば設置されるルールになっている。今回は韓国の要請に基づき設置が決まり、判断が示されるまでには1年以上かかるとみられている。当事国・地域は不服があれば最終審に当たる上級委員会に上訴できるが、同委は米国の反対で委員が補充されず機能不全に陥っており、紛争は長期化する公算が大きい。

https://www.jiji.com/sp/article?k=2020072900893&;g=eco