ベトナム政府は7月31日、新型コロナウイルスによる同国初の死者が確認されたと発表した。

25日に中部ダナンでほぼ3カ月ぶりに市中感染が発生し、関連して100人以上が感染していた。
日本と駐在員らの往来再開で合意したばかりで、厳しい対応を迫られそうだ。

死亡したのは人工透析のためダナンで入院していた70歳のベトナム人男性。
26日に感染が確認されていた。院内感染があったもようだ。

ベトナム政府は男性の死因を「新型コロナ(による疾病)や慢性腎不全などの合併症だ」と説明した。

ベトナムでは24日まで国内の新規感染者が99日連続でゼロだった。
ところが25日に市中感染が確認されたダナンに滞在していた国内の観光客が移動した北部の首都ハノイ、
南部のホーチミン市でも感染者が確認された。

感染拡大を受け、ハノイ、ホーチミン市ではバーなどの営業や大規模イベントの開催が禁じられた。
ハノイではダナンを最近訪れた数万人を対象に検査を実施していく方針だ。ダナン周辺では不要不急の外出自粛措置が続いている。

ベトナムでの新型コロナの感染者は今回の再拡大を含め、累計で約550人に達した。

感染は一時、小康状態だったため、日本とは7月下旬、企業駐在員や長期滞在者の往来再開で合意した。
日本でも新規感染者が再び増加している。両国間の往来再開の時期や手続きに影響を与えそうだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62180790R30C20A7NNE000/