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本格的なキノコのシーズンを前に、夏の県産マツタケの出荷量が伸びている。
国際自然保護連合のレッドリストで絶滅危惧種に指定されたことが話題となる中、
青果卸の長野県連合青果(上田市)によると、少なくとも過去10年で最も多い。
夏のマツタケは「早松(さまつ)」とも呼ばれ、一般的に少量で出回りにくいが、
今季は既に前年同期の100倍以上の約80キロを出荷している。

同社によると、7月17日からマツタケが入り始め、最も多い日で約20キロ出荷した。
4日は約6キロを入荷し、約200グラムある大ぶりなものもあった。
収穫量は県内全域で増えているとみられるが、同社が出荷するマツタケは上田市真田、
武石地域、長和町、坂城町産が8割を占める。昨年の出荷量は7?8月で計約600グラムだった。

連合青果担当者は、出荷量が多い要因を「7月に続いた雨と暑すぎない気候が
生育条件と合ったのではないか」と予測。夏のマツタケは旬の秋より香りや味が劣るとされるが、
今季は取引先から「遜色ない」と好評という。

卸価格は1キロ当たり2万?3万円と秋の半分程度。仲卸を通じて9割が
軽井沢町のスーパーや宿泊施設に流通し、関西の料亭からも引き合いがあるという。
連合青果常務の永井一嘉さん(61)は「この勢いで秋の豊作につながってほしい」と期待した。


例年になく出荷量が伸びている夏のマツタケ=4日、上田市
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