福岡市のJR博多駅周辺などで女性を風俗業に勧誘したとしてスカウトの男7人が逮捕された事件で、福岡県警博多署は21日までに、女性を風俗店に紹介したとして職業安定法違反(有害業務の紹介)の疑いで、スカウトグループのリーダー格の20代の男を新たに逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。グループは県内最大規模で、稼ぎの一部が暴力団の資金源になっている可能性もあるとみて調べる。

 署によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除された5月中旬以降、「しつこくつきまとわれる」といったスカウト絡みの通報や相談が増加していた。グループは男の指示の下、新型コロナの影響で収入が減った女性を狙ってスカウト行為を繰り返したとみられる。

 捜査関係者によると、県迷惑防止条例違反(スカウト行為など)の容疑で7月に逮捕されていた男7人のうち3人も21日までに同法違反容疑で再逮捕。リーダー格の男らは今春以降、複数の女性を県内のソープランドなどに紹介した疑いが持たれている。署は風俗店を家宅捜索し、女性の勤務実態を調べていた。

 リーダー格の男は、博多駅周辺などを拠点に活動するグループを率いており、既に逮捕されていた7人は、これを含む三つのグループのメンバー。

 市内でスカウトの経験がある男性は取材に「スカウトの多くはグループで活動している。収入の一部を上納しないといけないが、トラブルの面倒を見てくれ、紹介できる店が増えるメリットがある」と話した。スカウトは、女性を紹介することで店側から報酬を受け取り、月に数百万円を稼ぐメンバーもいるという。(古川大二)

西日本新聞 2020/8/21 14:00 (2020/8/21 14:31 更新)
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