多くの日本人にとって、黒人に対する人種差別はアメリカやヨーロッパで起きているもの、日本国内では起きていないものと考えられてきた。

しかし5月末にアメリカで黒人男性のジョージ・フロイドさんが拘束中に白人警官に殺され、「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」を掲げた抗議の波が起こったとき、日本でもその運動に加わる人が出てきた。

大都市で行われた抗議活動やデモ行進をきっかけに、日本国内の人種差別についても議論が巻き起こっている。

醜悪な固定観念
公共放送のNHKは6月、ジョージ・フロイドさんの死を受けてアメリカで何が起きているのかを、日本の視聴者に説明するアニメを作成した。

若者向けの番組で放映されたそのアニメでは、抗議に参加する黒人を醜悪な固定観念の下、非常に人種差別的に表現していた。誇張された筋肉と怒りに満ちた表情、後方には強盗を働く人の姿も描かれていた。

このアニメに対する評価は、おおよそネガティブなものだった。駐日アメリカ大使館は、このアニメは「侮辱的で配慮に欠けるもの」だと批判した。

アフリカ系アメリカ人のバイエ・マクニールさんは、日本に16年住み、教師や作家、コラムニストとして活躍している。

マクニールさんはNHKのアニメについてツイッターに「これ以上(NHKの)怠惰な言い訳は受け入れられない。黒人にまつわる問題について無知だったと言っておきながら、その問題やBlack Lives Matterについて、誰の助言も受けずに、侮辱的な人種差別発言を行う権利があると思っている。助言が必要なら、私たちがここにいる。でもこのひどいアニメは受け入れられない」と投稿。黒人の問題に対する無関心さを批判した。

NHKは後になってこの件について謝罪した。また、マクニールさんのツイートが注目を集めていたことから、彼を招いて問題について話し合った。

マクニールさんはその後、NHKの全従業員に話す機会を得たが、その時の経験は「非常に興味深いものだった」という。

「たくさんの素晴らしい質問を受けたが、そこからは多くの日本人が、なぜブラックフェイス(黒塗り)やホワイト・ウォッシング(白人化)が問題なのかを知らないということが浮き彫りになった。誰かがこうやって説明することが本当に大事だと思った」

ブラックフェイスは、黒人以外が化粧などで黒人の外見を誇張して真似る行為。ホワイト・ウォッシングは、映画などで有色人種の役柄を白人が演じるなど、白人が優遇されている状況を指す。

どちらも人種差別を助長する行為として、近年批判の対象になっている。

マクニールさんのツイートは、賛否両論を巻き起こした。マクニールさんによると、近しい友達や生徒からは、発言を受け止め、歓迎する声が多かった。また、マクニールさんの日本での経験について興味を持った、教えてほしいという言葉も聞かれたという。

一方でマクニールさんは、日本で受けた日常的な人種差別についても指摘した。

「間違いなく、アメリカよりも日本の方が安全です」とマクニールさんは語る。

「アメリカにいたら受けるであろう警察による暴力などはない。でも毎日ちょっとした差別にあい、それが蓄積していく。日常的に部外者扱いされるのは厳しいものがあります」

全文はソース元にて
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-53942352

★1の立った時間 2020/08/31(月) 05:25
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