ペットボトルやビニール袋など、私たちの身の回りには多くのプラスチック製品が存在している。これらのプラスチックが海洋に流れ出ることや、環境中に残ったマイクロプラスチックによる自然や人体への影響が懸念され、今プラスチック削減やリサイクルの取り組みがさかんに行われている。

これまでIDEAS FOR GOODでも、プラスチックストローと海洋プラスチックごみからマクドナル社がつくった水着や、コーヒーかすと廃棄プラスチックからつくったフィンランド発のスニーカー、バドワイザーがW杯の廃プラスチックカップでつくったサッカー場など、様々なプラスチックのリサイクルのアイデアを紹介してきた。

プラスチックから多種多様なモノが作られるようになった中、今回米カリフォルニア大学リバーサイド校が発表したのが、ペットボトルなどのプラスチックごみをアップサイクルして電気を貯める方法だ。

長年、ガラス瓶や砂、スライムのような玩具であるシリーパティーやキノコなどを使って、エネルギー貯蔵材料の開発を行ってきた研究チームは、今回プラスチックボトルによく使われるPET(ポリエチレンテレフタレート)ごみからスーパー・キャパシタと呼ばれる電気二重層コンデンサーを製造した。スーパー・キャパシタとは、固体と液体が接する面に正と負の電化が吸着する現象を利用した、優れた性能を持つコンデンサー(※1)のこと。リチウムイオン電池に比べるとそれほど多くエネルギーを貯蔵できないが、速く充電できるという特性があり、自動車をはじめとするさまざまな用途での利用が期待されている。

製造プロセスは、以下のとおりだ。まず最初にPETプラスチックボトルの破片を溶剤に溶かし、エレクトロスピニングと呼ばれるプロセスを使用して、ポリマー(2分子以上が結合した化合物)から細かな繊維をつくり、炉の中でプラスチック糸を炭化させる。その後、この材料を接合剤と導電剤と混ぜて乾燥させることで、スーパー・キャパシタがつくられる。

以下ソースにて
https://ideasforgood.jp/2020/09/08/battery-from-wasted-plastic/