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2020年10月4日 15時56分
 中国通信大手・華為技術(ファーウェイ)に対する半導体輸出規制の強化をめぐり、華為を主要顧客とするキオクシアホールディングス(HD、旧東芝メモリHD)とソニーが、輸出を許可するよう米商務省に申請したことがわかった。申請が認められるかは不透明だ。

 米政府の規制強化は、高性能の半導体を華為に供給させない狙いがある。関係者によると、規制が9月15日に本格適用されたことを受けてキオクシアHDは華為向けの出荷を停止。ソニーも停止していたとみられる。

 キオクシアHDは、スマートフォンなどのデータの記憶に使うNAND型フラッシュメモリーで世界2位のシェアを持ち、売上高の約4割がスマホ向けで華為向けも多い。規制強化によって収益見通しが悪化し、10月6日に予定していた東京証券取引所への上場を延期している。

 ソニーは、カメラの画像処理用の半導体「イメージセンサー」の世界シェアが5割で、その売上高の8割をスマホ向けが稼ぐ。華為とは年数千億円規模の取引があるとみられている。

 華為との取引の先行きが見通せないなか、足元では生産ペースを落としていた。ソニーは「米国の輸出法を順守していく。特定の顧客に関するコメントは控える」(広報)としている。(鈴木康朗)