関西電力は10月6日、金品受領問題で新たに子会社2社の元社長や元幹部、本社の元社員ら少なくとも7人が福井県高浜町の元助役から計303万円相当の商品券や物品を受け取っていたと公表した。一連の問題では関電の役員ら計75人が総額3億6千万円相当を受領していたことに加え「KANSOテクノス(旧環境総合テクノス)」(大阪市)の元社長と元幹部が計約404万円相当の金品を受領していたことが既に明らかになっている。関電と元助役の癒着ぶりが改めて浮き彫りとなった。

 福井県は関電に対し、調査結果を直接報告するよう求めている。関電幹部が今後、県庁へ報告に訪れる見通しだが、「時期は未定」(関電広報)としている。

 高浜町の元助役森山栄治氏(故人)から金品を受け取っていたのは、発電所工事などを手掛ける関電プラント(大阪市)の北田幹夫元社長や関電不動産開発(同)の元幹部、高浜原発の元幹部らで、7人のうち3人は既に死亡している。1992年ごろから2006年までの間に商品券や重箱、金杯などの物品を受け取っていた。関電プラントでは金品受領の詳細を記載したメモが見つかった。ただ北田氏は「身に覚えがない」と否定しているという。

 本店で記者会見した彌園豊一副社長は、関電が設置した第三者委員会の報告書の公表後に新たな受領が明らかになったことについて「(第三者委の調査時に)適切な申告がされていなかったことを重く受け止めている。多大なご迷惑をお掛けし改めておわび申し上げる」と謝罪した。

 調査はKANSOテクノスの受領発覚後、本社とグループ会社の全社員やOBらを対象に進めていた。

福井新聞 2020年10月7日 午後5時00分
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