ジャパンライフは、元官僚らを顧問に招き、多額の顧問料を支払っていた。被害弁護団は、元官僚らが「広告塔」となり被害を拡大させたと批判している。
◆債務超過でも続いた支払い
 弁護団によると、同社は2010〜17年度に元科学技術庁官僚に1780万円、14〜16年度に元内閣府大臣官房長に1650万円など計約1億6000万円の顧問料を支払っていた。
 同社は03年から自転車操業状態で、10年には債務超過に陥り、その中で多額の金額が顧問らに支払われ続けたことになる。

◆「関与はしていなかった」
 取材に元科学技術庁官僚は「ジャパンライフの仕事には関与していなかった」、元内閣府大臣官房長は「成年後見制度に関するNPOをつくるという話だったので引き受けただけで、それ以外のことは一切何も分かりません」と話した。
◆指導する側の元消費者庁職員も受け取り
 指導する側が顧問となった例も。元消費者庁課長補佐は退職後の15年7月〜16年5月に同社顧問を務め、360万円を受け取っていた。元課長補佐は同庁在職中に、ジャパンライフ調査を巡り「本件の特異性」との内部資料を作成し、「政治的背景による余波懸念」などと言及。同庁の一部業務停止命令が遅れたなどと指摘された。元課長補佐は取材に「(同社の)詐欺や隠蔽は知らなかった」と述べた。
 ジャパンライフを巡り顧客らが名古屋地裁で起こしている損害賠償訴訟では、元会長の山口容疑者らのほか顧問だった元官僚らも相手取っている。ジャパンライフ被害対策中部弁護団の杉浦英樹団長は「高齢の契約者たちは名のある人が顧問になっていたことで、ジャパンライフの商品を信頼していた。社会的、法的な責任は重い」と指摘する。(佐藤大、井上真典)

2020年10月9日 06時00分
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