菅政権で外交政策の意思決定過程がどう変わるか、注目されている。安倍政権で外交に影響力を及ぼした今井尚哉氏が首相秘書官兼補佐官を退任したのに対し、茂木敏充外相が再任され対面外交を活発化させているためだ。これまでの「官邸主導」から「外務省主導」に回帰するのではないかとの見方も出ている。

 茂木氏は5日に欧州・中東歴訪から戻ると、6日は東京都内で日米豪印の4カ国外相会談に臨み、9日にはモンゴルへ飛んだ。

 「ポスト菅」をうかがう茂木氏が存在感を示そうとしているとの見方がある一方、複数の政府関係者は「外務省が外交の主導権を握り返そうとしている」とみる。背景には安倍政権の7年8カ月を通した外務省の影響力低下がある。

 安倍晋三前首相は第2次政権発足直後から官邸主導の外交安保をめざし、2013年に首相直轄の国家安全保障会議(NSC)を設置。14年には、そのブレーンとして国家安全保障局(NSS)を立ちあげた。

 初代のNSS局長には谷内正太…(以下有料版で,残り930文字)

朝日新聞 2020年10月10日 10時00分
https://www.asahi.com/articles/ASNB96CQVNB9UTFK00V.html?iref=comtop_7_02