米ジョージア州アトランタに拠点を置く航空宇宙企業ハーミアスが手掛ける極超音速機のイメージ図
ハーミアスは今年2月、ゼロから設計したマッハ5エンジンの試作機のテストに成功した
ハーミアスは米空軍とも連携しながらマッハ5の極超音速機の開発を進めている
ハーミアスが実現を目指す定員20人の極超音速機は、米ニューヨークと英ロンドンを約90分で結ぶ
米カリフォルニアの新興企業エキソソニックによる超音速「エアフォースワン」のイメージ図
(CNN) 超音速の米大統領専用機「エアフォースワン」の試作機が早ければ2025年にも見られるかもしれない。

カリフォルニアの新興企業エキソソニックは現在、マッハ1.8のローブーム(低音響)超音速ツインジェット機の開発に取り組んでいる。このジェット機が米空軍の大統領・政府高官空輸管理局(PE)の目に留まった。

8月下旬、エキソソニックがエアフォースワンとしても使用可能な超音速政府高官専用機の開発契約をPEとの間で締結したとの発表がなされた。

同月には、ジョージア州アトランタに拠点を置く航空宇宙企業ハーミアスもPEから投資を受けたと報じられた。同社は定員20人の極超音速機の開発に取り組んでおり、実現すれば米ニューヨークと英ロンドンを約90分で結ぶ。

ハーミアスは、大統領・政府高官専用機群を支えるため、米空軍、PEと連携しながらマッハ5の極超音速機の開発を進めている。

一方、エキソソニックの70人乗りジェット機の航続距離は5000海里(約9260キロ)で、さらに低騒音化技術のおかげで、地上の住民に迷惑をかけることなく、陸地上空を音速の約2倍の速度で飛行可能だ。マッハ1.8は時速約2222キロに相当し、既存の飛行機と比べて飛行時間は半分で済む。

またエキソソニックは、米空軍と協力して同機の客室を改造し、必要な通信機器のセキュリティ対策を講じたり、米国の政府高官やゲストらが機内で仕事をしたり、休息を取るための高級家具も設置する。

ミリタリー・ドットコムによると、エアフォースワンの超音速試作機が2025年までに公開される可能性があるという。

エキソソニックの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)のノリス・タイ氏も、2030年代半ばまでの超音速機の実用化を見込んでいることを認めた。

CNNトラベルは2019年に、英仏共同開発の超音速機「コンコルド」の2倍の速度で飛行する航空機の開発計画で注目を集めていたハーミアスを取り上げた。コンコルドは2003年10月に最後の大西洋横断飛行を行い、米ニューヨークから英ロンドンまで4時間未満で飛行した。

極超音速は、一般的にマッハ5以上の速度、または音速の5倍の速度とされている。ハーミアスは今年2月、同社がゼロから設計したマッハ5エンジンの試作機のテストに成功した。

ハーミアスの共同創業者で最高執行責任者(COO)のスカイラー・シュフォード氏は、CNNトラベルとのインタビューで、「われわれは、従来の飛行機よりも速く、安価な高速機の開発を目指している」とし、さらに「マッハ5エンジンの試作機をわずか9カ月間で開発し、開発コストも200万ドル(約2億1100万円)未満に抑えた」と述べた。

ハーミアスの創業メンバーの中には、米実業家イーロン・マスク氏の米民間宇宙開発企業スペースXや、米アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏が設立した航空宇宙企業ブルーオリジンの元従業員も含まれている。4人の創業者はいずれもジェネレーション・オービット社で極超音速ロケット機や米空軍実験機「Xプレーン」の開発に携わった経験を持つ。

https://www.cnn.co.jp/storage/2020/10/10/2c45d67be55212edc7c0474053ce5597/35160752_002.jpg

全文はソース元にて
https://www.cnn.co.jp/travel/35160751.html