池や川に生息する身近な両生類のイモリが近年、ネットオークションで大量に出品され、昨年までの約11年間で2万匹以上が取引されていたことが、保全研究家の調べで分かった。準絶滅危惧種に選定されているシリケンイモリも多く含まれていた。アクアリウムのように水槽でイモリを飼う「イモリウム」人気の高まりが一因とみられ、乱獲や生態系への悪影響が懸念されている。

 調べたのは、サンショウウオなどの保全や研究に取り組む、団体職員の照井滋晴さん。2009〜19年、国内最大手のオークションサイト「ヤフオク!」で取引された野生とみられるイモリの数を調べ、両生類・爬虫(はちゅう)類の専門誌「Caudata」に今月発表した。

 調査では、この間に取引されたアカハライモリは1万4594匹、シリケンイモリは5939匹。アカハラは15年まで年100匹前後だったが、18、19年は5千匹超に急増。シリケンの取引量も似た傾向だった。18、19年はネットで「イモリウム」の検索量が大きく伸びていたといい、照井さんは、イモリ飼育ブームの過熱が取引急増の背景にあるとみている。

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