財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した近畿財務局の男性職員の妻が国などを訴えている裁判で、男性が改ざんの詳細を記して職場に残したとされるファイルについて国は存在するかどうか回答を拒んでいます。妻は14日開かれる裁判で、男性の上司がファイルはあると話す様子を録音した音声データを証拠として提出し、開示を求めることにしています。

森友学園に関する決裁文書の改ざんに関与させられた近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(当時54歳)の自殺をめぐり、妻の雅子さんは国などに対して裁判を起こし、改ざんの経緯を明らかにするよう求めています。

これまでの裁判で雅子さんは、赤木さんが改ざんの詳細を記したファイルを職場に残していたと弔問に訪れた上司から聞かされたとして、ファイルが存在するのか確認を求めましたが、国側は「回答する必要はない」として拒んでいます。

このため雅子さんは14日午後に開かれる裁判で、上司との会話を録音した音声データを証拠として提出することにしています。

この中で上司は「赤木さんがきちっと整理している。前の文書や修正後の文書などがファイリングされていて、これを見たら、われわれがどういう過程でやったのかが全部わかる」などと話しています。

雅子さんは裁判所にもファイルの開示を国側に促すよう求める方針で、その対応が注目されます。

2020年10月14日 6時29分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201014/k10012662001000.html