急速なデジタル化に伴い、インターネット用のサーバーやデータ通信の装置などを設置するデータセンター(DC)の建設ラッシュが、千葉県印西市の千葉ニュータウンエリアで起きている。強固な地盤がDC建設に適しているといわれ、IT業界では「INZAI」が世界に知れ渡っている。電力の需要増を見越し、東京電力も大規模水力発電所3個分に相当する電力供給が可能な超高圧変電所の新設に着手しており、DCの集積化がさらに加速する見通しで、地元では安定的な財源確保への期待感が高まっている。【橋本利昭】

 大和ハウス工業(大阪市)は5日、北総線・印西牧の原駅北部で東京ドーム7個分に当たる総延べ床面積33万平方メートルの国内最大級のDC団地を建設すると発表した。数年以内に7棟の運用を開始し、今後10年間で計15棟を建設する予定だ。投資額は1000億円規模となる。同社幹部は「この3年で(デジタル)データは、自社管理から、クラウドサービスで第三者にお任せするようになってきており、今後10年くらいはDCの大型化、集積化が加速する」と投資の狙いを明かした。

 同エリアでは、1986年の新住宅市街地開発法改正に伴い、住宅だけではなく業務施設の開発も可能となり、千葉ニュータウン中央駅近くでは金融・保険会社のDCのビルが集積している。最近はその動きが郊外に広がり、規模も拡大。米グーグルなど複数の外資系企業がDC事業に進出する動きが明らかになり、印西は「DC銀座」や、DC集積地として知られる米バージニア州アッシュバーンの日本版とも言われている。

 なぜ、印西がDC集積地として注目されるのか。大和ハウス工業は進出理由として「下総台地の強固な地盤に、スーパ…(以下有料版で、残り449文字)

毎日新聞 2020年10月15日 08時11分(最終更新 10月15日 08時11分)
https://mainichi.jp/articles/20201015/k00/00m/020/002000c