世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は16日の記者会見で、北半球が冬を迎えるに当たり、
発熱やせきなど新型コロナウイルス感染症と共通する症状が多いインフルエンザへの警戒を改めて呼び掛けた。

テドロス氏は、欧州で新型コロナ感染が再拡大していることを踏まえ、
入院患者が増加し他の病気への対応が不十分になる状況を懸念。

世界で毎年、インフルエンザで重症になる患者は350万人に上るとして、ワクチン接種などの備えを訴えた。

今年の南半球の冬には、インフルエンザの患者が例年と比べ減少した。
対人距離の確保、手指消毒の励行やマスク着用など新型コロナを受けた措置も貢献したとみられるが、
テドロス氏は「同じ状況が北半球でも見られるとは限らない」と指摘。

インフルエンザと新型コロナの大規模な同時流行を回避するため、感染防止策の徹底を求めた。

テドロス氏は、インフルエンザには「安全で有効なワクチンが存在する」と強調。
ワクチンが不足する国もあるとして、高齢者、医療従事者に優先的にワクチンを回し、
次に妊婦、基礎疾患のある人、子どもに振り分けるよう呼び掛けた。
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