日本でレジ袋有料化されて早4カ月。ついマイバッグ忘れて、罪悪感を覚えることもしばしば。たまに「当店の袋は地球にやさしいバイオプラスチック製なので」って無料で袋もらえると、ちょっと嬉しくて、なぜかいいことした気分になったりします。

バイオプラスチックは、植物など生物由来のものや、微生物によって分解されるプラスチックの総称。しかし最新の研究により、エコなはずの「バイオプラスチック」には、従来のプラスチックと同等の有毒化学物質が含まれていることが判明しました。

プラスチックは、いわば、環境の悪夢。まずプラスチックを作るときに「健康を脅かし地球を温める汚染物質」が放出されます。使い終わって処分するにも、その耐久性が仇となって自然分解されないため、非常に厄介。グローバルなリサイクルシステムが機能しない限り、プラスチック廃棄物は埋め立て地に送られるか、廃棄物焼却炉で処分されることになり、焼却炉からは当然、汚染物質が放出されます。

さらに、毎年1000万トンものプラスチックが海洋に投棄され、海洋生物にとって有害な物質がばらまかれることに。プラスチックはやがて微小なマイクロプラスチックに砕け、それをエサと誤認した生物が食べてしまいます。さらに大きな魚がそれを食べ…と食物連鎖のピラミッドを上った結果、最終的には人間の体内に入ってきます。

これらの問題に対する一般の認識が高まるにつれ、コカコーラやユニリーバ、ダノンなどの大企業は、代替手段としてバイオプラスチックの開発にリソースを投入するようになりました。

環境情報誌、Environment Internationalに掲載された最新の研究では、研究チームが使い捨て食器やチョコレート包装紙、炭酸飲料ボトル、ワインコルクなど、43種類のバイオプラスチック製品を調査しました。これらはすべて、現在市場に出回っている9種のバイオプラスチック素材を使用した製品。具体的には植物や藻類などの有機物から作られたもの、時間の経過とともに生分解されるもの、およびこれら両者の基準を満たす素材です。

科学者チームは「インビトロ・バイオアッセイ」と呼ばれる遺伝子分析と、分光分析(光との相互作用を観察する分析法)を使って43の製品を調査しました。

調査の結果、1000種以上の化学物質が含む製品が80%にのぼることが判明。中には、2万種もの化学物質が検出されたものもあったというから驚きです。バイオプラスチック、かなりケミカルでした。

フランクフルトにあるゲーテ大学の水生生態毒性学博士課程に在籍し、今回の研究の筆頭著者であるリサ・ツィンマーマン氏は「バイオベースの生分解性プラスチックは、他のプラスチックよりも安全とはいえません」と述べています。

ホセバ―氏は今回の研究には関与していないものの、「バイオプラスチックは、他のすべてのプラスチック同様、一般にほとんど規制されていない化学物質を含んでいます。それらの物質はガンやリプロダクティブ・ヘルス(生殖にかかわる健康)の問題を始め、深刻な病気を引き起こすことで知られています。新しい素材を導入する前に、それにかかわる化学物質を開示し、試験や規制を敷く必要があります」と見解を述べています。

さらに同氏は、バイオプラスチックが抱える問題とこれまでの発見を総合し、そのギャップを考慮した場合、プラスチック問題を解消する最善策は「バイオプラスチックに切り替えることではなく、使い捨て容器包装から完全に脱却すること」だと述べています。

「プラスチックに関して、“何かしなければならない”と誰もがわかっています。しかしこれまでのところ、最も明確な答えから人々は目をそらしています。それは、“プラスチック自体の製造をやめるべき”ということ」と彼はメールに記しています。「最善の解決策は、使い捨て素材を別のものに交換するのではなく、使い捨てのパッケージから再利用、詰め替え、およびパッケージフリーのアプローチに移行することです」。

https://www.gizmodo.jp/2020/11/bioplastic-just-as-toxic-as-traditional-plastic.html