米国の新型コロナによる累計感染者が21日、1200万人を突破した。1日あたりの新規感染者数も20万人に迫る。

米疾病対策センター(CDC)は感染抑制へ旅行の自粛を呼びかけているが、
間近に迫る感謝祭休暇で人々の移動が広がり、さらなる感染拡大の懸念が高まっている。

米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、米国の新型コロナ感染者数は米東部時間21日午後5時
(日本時間22日午前7時)時点で1203万8千人を超えた。世界の累計感染者数(5793万人)の約2割を占める。
世界の死者数は137万7千人超で、米国の死者数は25万5千人超に上る。

春の「第1波」、夏の「第2波」を超える水準の感染拡大が続くなか、
医療体制の逼迫が重い課題だ。米国の感染状況を分析する「COVIDトラッキング・プロジェクト」によると、
20日の入院患者数は8万2178人で過去最多となった。

ロイター通信によると、米国では今月に入りすでに20を超える州が必要不可欠な業種を除く営業禁止や
夜間外出禁止などの制限措置を相次いで導入している。

ただ、11月末のサンクスギビング(感謝祭)の連休では旅行や帰省など家族や友人と集まる機会が増えるため、感染拡大に拍車がかかる可能性がある。

CDCは感謝祭をめぐるあらゆる種類の旅行を控えるよう「強い勧告」を出した。
特に感染拡大が深刻な中西部ではウィスコンシン、ミネソタ、イリノイ、オハイオ、
ケンタッキー、インディアナ、ミシガンの7州の州知事が、家族以外の人々と感謝祭を祝わないよう市民に求めた。

ただ、強制力を伴う措置ではなく、効果は限定的とみられる。米運輸保安局(TSA)によると、20日には100万人以上が米国の空港を通過した。
春先に新型コロナの感染拡大が始まって以来、2番目に高い水準だという。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66533780S0A121C2000000/