漫画・アニメ制作費もGDP算入へ 価値創出「投資」など
ビジネス
2020年12月5日 土曜 午前0:44
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日本が誇る漫画やアニメが、日本の経済成長率を大きく飛躍させることになるかもしれない。

各地の書店に集まる大勢の人。

4日は、「鬼滅の刃」最終巻の発売日。

都内の書店では、お昼休みに並ぶスーツ姿の男性も多く見られた。

男性(40代)「電車では読めない、泣いてしまうので。家に帰ってしっかり読もうかなと」

女性(20代)「なんでこんないいときに終わっちゃうんだろうと思って。もっと続いてほしい」

多くの世代の共感を呼んだ「鬼滅の刃」23巻の初版発行部数は、395万部。

電子版を含む1巻からの累計発行部数は、1億2,000万部にのぼっている。

現在公開中の映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は、興行収入275億円を突破し、歴代2位になるなど、
その経済効果は、第一生命経済研究所の永濱氏によると、2,700億円とも言われている。

止まらない鬼滅の快進撃。

こうした漫画やアニメが、日本のGDP(国内総生産)を今後、押し上げることになるかもしれない。

都内にあるアニメ制作会社。

人気アニメ「バッテリー」や「DIVE!!」などの作品を手がけてきたアニメ制作会社では、現在60人のスタッフが働いている。

コロナの影響で、自宅にいる人が増えたことや、動画配信の普及が追い風となり、制作の依頼や相談は増えているという。

こうした漫画やアニメなどの原本制作に関わる人件費や、機材にかかった費用などは、これまでGDPから除外されていたが、
12月からは設備投資とみなし、GDPに計上されることになった。

内閣府によると、新しい算出方法で計算した場合、原本制作に関わる費用は、2015年の名目GDPで全体の0.2%。

金額にすると、0.9兆円押し上げるという。

現状では市場規模が小さく、インパクトも小さいものの、日本の漫画やアニメの中から世界的ヒット作が生まれれば、経済成長率を大きく動かす日が訪れるかもしれない。