生活保護の対応をしていた男性を殺害しようとしたとして、殺人未遂などの罪に問われた滋賀県米原市社会福祉課の元主事(28)=懲戒免職=の裁判員裁判の判決公判が22日、大津地裁で開かれた。大西直樹裁判長は懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役5年)を言い渡した。判決後、弁護人は控訴しない意向を明らかにした。

 判決は、元主事はケースワーカーとして担当していた男性(27)に対し、車内に用意していた包丁で、抵抗を受けても襲い続けたとし、「一定の計画性があり殺意は強い」と指摘。一方、過重な業務負担や男性からの連日の理不尽な要求に追い詰められた末の犯行と認め、「経緯や動機は相当程度同情の余地がある」とした。

 判決によると、昨年12月24日午後10時35分ごろ、滋賀県長浜市の路上に止めた軽乗用車内で、男性の腹部を包丁で刺すなどし、全治約10日間のけがを負わせた。

 判決を受け、米原市の平尾道雄市長は「裁判で明らかになった事実を分析し、再発防止に取り組む」とコメントした。

2020年12月22日 18:40
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