新型コロナウイルスの感染者数が最多を更新するなか、政府がコロナ対策の矛先を飲食店に向けている。営業時間の短縮を要請し、応じない店の名の公表や、罰則の導入も検討される。「我々は悪者なのか」「補償が先だ」。店主らからは不満と嘆きの声が漏れる。

 「見せしめ、いじめとしか思えない」。大阪の繁華街・ミナミにある居酒屋の店長の男性(34)は、店名公表が検討されていることへの不満を訴える。

 脂が乗った旬の鮮魚が売りの店は、100席近い広さ。以前は午後11時まで営業し、深夜客も多かった。時短要請に応じてきたが、昨年12月は客が数組の日もあった。12月半ばから、大阪市が閉店を要請している午後9時以降も、店を開けることにした。店を守るための苦渋の決断。だが、匿名の嫌がらせ電話が相次いだ。

 伊勢エビが丸ごと1匹入ったおせち料理、ウナギの恵方巻き……。持ち帰りメニューに知恵を絞り、感染予防策も万全を期したつもりだ。そんな中で政府は、店名公表に続き、緊急事態宣言下での罰則までも本格的な検討を始めた。男性は「ここまで悪者扱いされなければならないのか。みんな要請に従いたい気持ちはある。そのための補償の仕組みづくりが先ではないか」と訴える。

 巨大な動くカニの看板で知られる「かに道楽」。大阪・道頓堀本店など市内8店舗が、今回の時短要請を受け入れた。客席は平均200〜300席。12月の売り上げは例年から3〜4割減。コース料理には2時間程度かかるため、時短の影響は大きいという。しかし、協力金は店の規模によらず一律だ。広報担当者は「大きな店だと不利になってしまう。早く終わってほしいと祈りながら、耐えしのぐしかない」と言う。

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1/7(木) 6:30配信