トランプ米大統領(共和党)の支持者が6日に連邦議会議事堂に乱入した事件で、ワシントンの首都警察は7日、不法侵入容疑の重要参考人として男女数十人の写真を公開し、情報提供を求めた。一部の乱入者は既に米メディアやインターネット上で特定されており、極右グループ幹部や白人至上主義者が含まれる。トランプ政権下で活発になった過激な右派が暴徒化した疑いが強まっている。

【変わらぬ支持誓う】不満を訴えるトランプ支持者ら

 重要参考人リストのトップに掲載されているのは、上半身裸でバファローのような角付きのかぶり物をして、顔を星条旗カラーの赤、白、青にペイントした男だ。米メディアなどによると、西部アリゾナ州の自称俳優・歌手の男(32)とみられる。極右陰謀論「Qアノン」の信奉者として知られ、「Qシャーマン」とも呼ばれる。6日は上院の議場にまで侵入し、議長席で記念撮影をするなどした。目立つ風貌のため盛んにソーシャルメディアなどで取り上げられ、本名はツイッターでトレンド入りした。

 8日時点でリストには入っていないが、ペロシ下院議長(民主党)の事務所に侵入して机に足を投げ出し、ペロシ氏あての封筒を持ち出した男は、南部アーカンソー州で銃所持の権利を主張するグループのリーダー(60)とみられている。他にも、ネオナチの活動家として知られるアラスカ州の男や、極右グループ「プラウドボーイズ・ハワイ」の創設者、南北戦争で黒人奴隷制度の存続を掲げた南部連合軍の軍旗を持っていた白人至上主義者らが特定されている。

 6日は数万人のトランプ支持者が議事堂前に集結。数百人が議会警察の制止を振り切り、窓ガラスを割るなどして議事堂内に押し入った。CBSテレビによると、7日夜までに80人以上が逮捕された。首都警察のコンティー署長は7日の記者会見で、「FBI(連邦捜査局)と協力し、恥ずべき暴力行為を働いた者たちを全力で追っている」と述べた。

 ソーシャルメディア上では、日本を含む各地のトランプ支持者が「Qシャーマン」らを指して「(極左ネットワークの)アンティファがトランプ支持者を装って乱入した」などと主張する根拠の乏しい投稿が相次いでいる。【ロサンゼルス福永方人】

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1/8(金) 22:30
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