Web東奥1/14(木) 11:43

 津軽国定公園に指定されている岩木山で今冬も、スノーモービルの悪質な乗り入れが見つかった。一部のスノーモービル愛好者が無許可で、樹木を伐採したりなぎ倒したりして走行。愛好者でつくる岩木山スノーモービル協会(事務局・青森県弘前市)は、スノーモービルのイメージ低下を懸念し「愛好者全てではないが、違反者がいることを重く受け止めなければならない。協会としても違反があれば通報していく」と目を光らせている。

 白神山地ガイド会(弘前市)によると、昨年12月28日、鯵ケ沢町のスキー場の上部にあたる岩木山8合目付近で、多数のスノーモービルの走行跡を確認。樹木がチェーンソーなどで伐採されたり、幼木が倒されたりした跡が見つかった。

 同会関係者は「スノーモービルを排除するつもりはないが、このまま手をこまねいていれば、自然環境にさらに悪影響が及ぶ。節度をもって入山してほしい」と警鐘を鳴らす。雪崩を引き起こさないよう、積雪状況を見極めて走行することも大切−と指摘する。

 岩木山スノーモービル協会(伊東尚二会長)は2017年、マナー確保や冬山遭難の捜索に協力するため設立。会員は津軽地方を中心に約150人に上るという。協会事務局の木村聡史さん(48)=弘前市=はルール・マナーの順守や雪崩対策の重要性を強調し「岩木山はみんなの“財産”。カメラマンやスキーヤー、登山者らと共存していきたい」と語った。

 県自然保護課によると、8合目以上は特別保護地区で、無許可でスノーモービルなどの車両で乗り入れると、6カ月以下の懲役か50万円以下の罰金が科せられることがある。特別保護地区以外でも木を折ったりすることは原則禁止されている。同課自然公園グループの一戸定顕総括主幹は「看板を設置して注意を喚起したり、森林管理署や警察など関係機関と情報共有したりして対応を検討する」と話した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4cf2172a3ef87d1b325644741417b29865e11434