バイデン新政権発足で動揺と分裂 陰謀論Qアノン信奉者たち BBC

根拠のない陰謀論「Qアノン」の信奉者たちは、自分たちが応援するドナルド・トランプ前米大統領が1月20日以降も大統領の座に留まり続けるという自分たちの予言とは裏腹に、ジョー・バイデン新大統領が就任した事態を受けて、動揺して分裂している。1月6日の連邦議会襲撃には多くのQアノン信奉者が参加し、逮捕・起訴されている。
Qアノン信奉者たちは、アメリカ政府の奥に潜む真の権力者のネットワーク「ディープ・ステイト」の関係者を、トランプ氏が逮捕し処罰するという陰謀論を信じ、バイデン氏の大統領就任は実現しないとぎりぎりまで主張していた。
それだけに、バイデン氏が20日正午前に大統領になるための宣誓をし、そして第46代合衆国大統領として就任演説をした様子に、多くのQアノン派が衝撃を受けていた。

Qアノン派に人気のチャットアプリ「テレグラム」では、「吐きたい」と書く人もいた。「あまりにでたらめばかりで、うその期待ばかりさせられて。もううんざりだ」とこの人は書いた。
その一方で、「計画」は失敗していないと主張し、別の予想や理論を見つけてはそれに飛びつく人たちもいる。
Qアノン派はもう何週間も前から、1月20日こそが審判の日になると持説を拡散し続けていた。いわく、主だった民主党関係者や、政財界にエリートとして巣くう「悪魔崇拝の小児性愛者」たちが、トランプ大統領の命令で1月20日に逮捕され処刑されるというのが、その主張の主な内容だった。

しかし、バイデン新大統領が宣誓就任しても、そのような政府要人の逮捕は実現せず、Qアノン派の間では致し方なく現実を直視する人も出てきた。
「もう終わった。自分たちは担がれたんだ」と、投稿した人もいる。

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ツイッターにアカウントを凍結される前には20万人のフォロワーを抱えていたインフルエンサー(SNSで影響力のある人)は、「今日は我々全員にとってとてもつらい日だ」と書いた。
「今日の就任はキリスト教徒の愛国者にとって、わけが分からないものだ。自分たちは『計画』を通じてこの国を取り戻すんだと思っていたのに」と、この人は続けた。

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https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-55777700