https://news.yahoo.co.jp/articles/ee805b9e90126f8162b7c0f36d98f748fbde5ba0?page=3


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◇チャイナタウンを街ごと移転?

中国人が欧州で目立つのは、観光客としてだけではありません。

中国系移民の多さと彼らのビジネスの拡大も強く目を引きます。

イタリアに限っても、ローマやミラノなどの大都市はもちろん、地方都市にまで進出しています。

特に飲食店などの零細事業で勢力を急激に拡大しています。

イタリア人の日常に欠かせないバール(喫茶店兼飲み屋)も、中国人によって買収されていたりします。

これまたイタリアの日常風景である青空市場にも中国人が入り込んでいて、食料品や日用雑貨などを売りまくっています。

中国系移民にあまりに頻繁に出くわすので、地元民の癇にさわることも少なくないようです。

もちろん、中国人は地元経済にお金を落としていますし、安価な製品やサービスを提供して、生活の利便性向上にも一役買っています。

それを享受している以上、やはり偽善でしかないのですが、それでもイタリアの人々は腹の中に中国に対する反感を隠している、と思うことも少なくありません。

ミラノでは、チャイナタウンを街ごと郊外に移してしまおう、という案さえ検討されています。

◇アフリカ・中東系移民によって救われた中国系移民

2015年、欧州には100万人ものアフリカ・中東系難民・移民が押し寄せました。

その結果、それまで中国系移民に向けられていた敵意が、アフリカ・中東系移民に向けられることになりました。

イタリアでは、少なくとも「中国人移民は仕事を持っていてしかも働き者。さらにイスラム過激派のようにテロを起こす“中華過激派”も存在しない」と、好意的に評価する人もいました。

中国と親和的な左派ポピュリスト「五つ星運動」が、2018年の総選挙で第一党となり、連立政権を樹立したことも親中国派への追い風になりました。

◇政治の風向きが変わるとき

そんな中、新型コロナパンデミックが発生、イタリアは世界でも最悪級の被害を受けます。

するとそれまで、せっかく収まっていた中国への敵意が、ウイルスが中国由来ということもあって、国民の間に再び高まります。

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