東京電力は22日、福島第一原発3号機原子炉建屋内に設置した地震計2台がいずれも故障していたにもかかわらず、
修理せずに半年以上放置していたため、今月13日深夜にあった震度6弱の地震データを記録できていなかったと明らかにした。

 原子力規制委員会の検討会の場で、東電側が地震の影響を報告した際に説明。
東電が地震後に公表した資料では、地震計の故障は一切記載がなく、それ以前も公表していなかった。

 福島第一廃炉推進カンパニーの小野明・最高責任者は検討会で、
「貴重なデータを取れるチャンスを逃し、反省している」と謝った。

 東電によると、地震計は2020年3月、3号機原子炉建屋の最上階5階にあるオペレーションフロアと1階に、1台ずつ設置。
1階の地震計は、設置4カ月後の7月に雨による水没で故障し、同年10月にはもう1台が別の原因で壊れた。

 東電広報担当者は22日夕の記者会見で、「対策を施したものを設置する予定だった。故障後すみやかに復旧する必要があった」と釈明した。
3号機の地震計は、事故時に水素爆発を起こした建屋の耐震性を検討するために設置していたという。

 福島第一原発では1〜6号機原子炉建屋の地下階に地震計があるが、10年前の事故後は1〜4号機の機器は動いていない。(小川慎一、小野沢健太)
https://www.tokyo-np.co.jp/amp/article/87498