イギリスの経済学者ノリーナ・ハーツは、各国の右派有権者へのインタビューを重ねた結果、
右派の人々は強い孤独感を抱えていることに気づいた。そ
して、右派政治家は彼らの持つ孤独感を巧みに利用しているが、それに対抗する方法もあると言う。

右派の人々が持つ強い孤独感

数年前、イギリスの経済学者・作家のノリーナ・ハーツは、イギリス、フランス、アメリカにおける右派有権者へのインタビューを始めた。
「そのなかで繰り返し聞いたのは、右派の人々が孤独を強く感じているということでした」とハーツは述べた。

(中略)
「オルタナ右翼のウェブサイトを見ていると、孤独というテーマが幾度となくソーシャルメディア上で投稿されているのを目にします」とハーツは語る。
「トランプや世界中の右派政治家は、このように孤独を感じているコミュニティを非常に巧みに利用してきました」。

「オルタナ右翼のウェブサイトを見ていると、孤独というテーマが幾度となくソーシャルメディア上で投稿されているのを目にします」とハーツは語る。
「トランプや世界中の右派政治家は、このように孤独を感じているコミュニティを非常に巧みに利用してきました」。

トランプが国会議事堂を襲撃した支持者に帰宅を促した際、“We love you”という言葉をかけたのが、それを示している。

「トランプ大統領は、子供にかけるような愛の言葉を使い、彼らの孤独感に訴えた。
それが本当かどうかは別にして、『あなたを見ているのも、話を聞いているのも私だけです』と言っていたのです」

(中略)
特にアーレントは1951年の著作『全体主義の起源』で、
全体主義は「孤独という感情、世界にまったく属していないという経験に即しており、
このような感情は人間が経験しうる最も根本的でかつ最も絶望的な感情だ」と述べている。

右への傾倒を防ぐ方法

ハーツは“正当な経済的不満”に対処することが、現状の解決策だと提唱する。
具体的には、労働組合の強化、図書館やユースクラブ、託児所、高齢者施設などへの資金提供を以前のように増やすことだ。
「人々が実際に集える場が失われています」「コミュニティのインフラに再投資することは急務です」とハーツは言う。

(中略)
さらに、ソーシャルメディアから離れることもハーツは提唱する。
2018年、スタンフォード大学とニューヨーク大学の研究者たちは、11月の選挙直前の4週間、
一部の無作為に選んだボランティアのフェイスブックページを停止させた。
その結果、フェイスブックを使い続けたグループに比べ、
フェイスブックから離れたグループは家族や友人とより多くの時間を過ごし、幸福度が増したことを発見した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/fb6de72ef7ce729f88d9cad09b07a5f8604d59e9?page=1