さいたま市浦和区の市立岸町小学校で10日、6年生約110人の給食に浦和伝統の味、「うな重」が振る舞われ、児童らは目前に迫った卒業記念のごちそうに舌鼓を打った。

中山道の宿場町だった浦和は江戸時代、川や沼で捕れたうなぎがおいしいと評判を呼び、今に引き継がれている。その一方で、稚魚の乱獲などで絶滅の危機に直面している。

 そこで市内のうなぎ料理店11軒でつくる「浦和のうなぎを育てる会」は稚魚を守る活動を支援するかたわら、子どもの時から持続可能性を考えながら食べる習慣を身につけてほしいと年1回ほど、給食にかば焼きを提供してきた。

 児童らは、発熱剤で中身を温められるテイクアウト用容器に入った熱々のかば焼きを白米に乗せ、口いっぱいにほおばると、思わず笑顔に。4年生の時に県外から引っ越してきたという伊花祐香さん(12)は「お店で食べたことがなかったので身がこんなに柔らかくておいしいとは知らなかった」と話した。
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