中学生に790万円賠償命令 徒歩でぶつかり79歳転倒、後遺症
3/16(火) 23:14配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/7b87a8bbb9d073f9efd6feed70675cae71292930

 大分市で歩いて登校中の13歳の女子中学生(当時)にぶつかられた79歳(同)の女性が、転倒したけがで後遺症が残ったなどとして約1150万円の賠償を求めた訴訟の判決で、大分地裁が中学生に約790万円の支払いを命じていた。府内覚裁判官は「中学生が注意義務を怠った過失がある」と認定し、過失相殺も認めなかった。

 判決などによると、女子中学生は2017年9月、学校近くの通学路の歩道(幅約2・2メートル)を、同級生と2人で歩いて登校。前方の生徒4人を追い抜く際に、前から歩いてきた女性とぶつかった。両手に野菜を持っていた女性は尻餅をつき、腰の骨を折った。その後、女性は脊椎(せきつい)に運動障害を残すなどの後遺症があった。

 女性側は「中学生は歩行者を追い抜こうとしたのだから、進行方向から対向してくる歩行者がいないことを確認する注意義務があった」と主張。中学生側は「いきなり速度を上げたり、進路を変えたりするような危険行為はしておらず、歩行者同士が多少ぶつかることはやむを得ない」と反論していた。

 判決で府内裁判官は「歩道は約2・2メートルの幅しかなく、歩行者同士が衝突する具体的な危険が発生していた。中学生は安全に留意することなく漫然と生徒を追い抜こうとしており注意義務を怠った」と指摘。「事故の発生に女性に寄与があったとは認められず、過失相殺をするのは相当ではない」と判断した。判決は15日付。【河慧琳】