※読売新聞

新型コロナウイルスに対する英アストラゼネカ製ワクチンを接種後、60歳未満の女性らに重い血栓症が発生している問題で、専門家からは、国内で承認する場合、接種対象者を制限する必要性を指摘する声が出ている。

血栓症は固まった血液で血管が詰まる病気。同社のワクチン接種後の血栓症では、脳や内臓などに通常とは異なる特徴の血栓ができており、ワクチン接種との関係が疑われている。

福島県立医科大の藤原一男教授(神経免疫学)は「若い女性は新型コロナの死亡リスクが低い。他社製のワクチンの確保を待って、接種することを検討してもよいのでは」と提案する。新型コロナによる60歳未満の女性の死者は、国内では3月末時点で53人と、全体の死者数の約0・6%にとどまる。

一方、血栓症に詳しい静岡社会健康医学大学院大の浦野哲盟副学長は「接種対象の制限についての議論は当然だが、ワクチンの量が不足する恐れがあるので慎重に検討すべきだ」と指摘する。

日本政府は同社と1億2000万回分(6000万人分)のワクチンを購入する契約を結んでおり、大半は国内で製造される。早ければ今年5月にも承認され、中核的なワクチンの一つとなる見込みだ。

2021年4月9日 7時31分
https://news.livedoor.com/article/detail/19993574/