1,電車に乗っているのだから乗車拒否とは言えないのではないか?

小田原駅の駅員は私に「来宮駅まではご案内できません。熱海までなら大丈夫です」と言っています。「ご案内はできません」は、
案内がないと利用できない車いすユーザーにとっては、利用できない、つまり来宮駅までの乗車を拒否されたのと同じです。

また1970年代の障害者運動のとき、「車椅子は電車・バスに乗れません」と乗車拒否された車いすユーザーたちが、声を上げ続け、
電車に乗れるようになり、エレベーターができました。
今回もその流れと同じだと私は思っていて、声を上げないと、何も変わらないと思っています。

(中略)
3,事前に下調べをしてから行くべき、駅に連絡をしてから行くべき、そしたらこんなことにはならなかったのでは?

私が事前に見たのは「JR 来宮駅」で調べたこのサイトです。
JR東日本:駅構内図(来宮駅) (jreast.co.jp)

こちらには「1F」の表示しかなく、無人駅であることも、車いすは事前連絡が必要なことも書いてありません。
よって、いつもJRを利用するときと同様に、連絡をせずに向かいました。今までも、案内に時間がかかっても、また階段しかない駅でも、駅員がいつも車いすを持ってくれます。

ちなみに今回の一件で知ったことですが、「らくらくおでかけネット」というサイトがあり、駅の構造が詳しく載っていて、介助が必要な時の連絡先の電話番号も載っています。
今回、初めて知りました。このサイトの情報がもっと広まるといいなと思います。

(中略)
4.無人駅に4人も人を集めると要求するのは無理があるし、駅員がかわいそう。

 駅員にはありがたいし、重い車椅子を持ってもらって申し訳ないとも思います。しかし、他の方法がなかったので、今回はやむをえなかったです。
階段を持ってもらうのは危ないですし、駅員の体も心配ですし、本当は避けたいです。
高齢者やベビーカーユーザーをはじめ、いろいろな人のためにもエレベーターができることを切に願います。

(中略)
5.熱海駅で降り、タクシーや歩きで来宮駅までいってはどうか?

車いすが乗れるタクシーは、1か月前に予約して、乗れることが多いです。台数も運転手も限られていることが多いからです。
熱海駅の車いすタクシーが、当日に連絡して、すぐに乗れるかは調べていません。そうなっているととてもありがたいです。

(中略)
7.声をあげるのは大事だが、この訴え方はおかしい。メディアを呼ぶのもやりすぎだ。

今回、小田原駅でも熱海駅でも、障害者差別解消法の合理的配慮の努力義務があまりなされていないと感じ、今後どうやったらそれが改善されるかを考えました。
そのためには一人でも多くの人にこの現実があることを知ってもらい、車いすユーザーも電車に乗り、熱海旅行に行くことを可視化したいと考えました。
そうしないと会社全体の体制はなかなか変わらないと思ったからです。それなのでメディアを呼ぶことを考えました。
決して、駅員を非難するためではなく、会社として合理的配慮をより考えてもらうためのきっかけにするためです。

(中略)
9.やってもらって当たり前という態度に違和感。

 私は交渉をし続けた私だけが、合理的配慮を十分に受けられるのは良くないと思っています。
むしろ交渉して、粘らないと合理的配慮が受けられないのはおかしいです。誰でも、当たり前に、必要な時は合理的配慮があるべきです。
そう願っているので、敢えて冷静な態度をとりました。
今回交渉の末、対応していただけたのはありがたいですが、これが例外ではなく、今後も会社全体で考え、当たり前の合理的配慮として定着してほしいです。
そして、歩いている人たちが、毎回電車を利用するたびに、「駅員さん、ありがとうございます」と思っていても、
それを言葉でわざわざ言うことはないように、障害のある私も同じ状況になるといいなと願っています。

合理的配慮を広めるための私のとった行動が、まだまだ不十分であったり、他の方法もあるとは思います。
それも今後考えながら、障害のある人も当たり前に、気軽に、電車に乗って、旅行に行けるようになりますように。人権が守られ、声を上げる必要がなくなることが私の本望です。

長いので全文はソースで
http://blog.livedoor.jp/natirou/archives/52316357.html