新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け優先接種が12日に始まり、医療従事者以外の一般国民へと対象が広がった。
感染が急拡大している地域では、「収束のきっかけに」と期待の声が上がった。

ただ、4月の供給量は限定的で、医療従事者への接種も完了していない。接種にあたる医師からは不安も漏れた。

東京都では12日、対象となる65歳以上の高齢者人口が市部で最も多い八王子市で接種が始まった。接種を終えた女性(73)は
「えっ、という感じで全く痛みを感じなかった。打ってもらってよかったが、これまで通り感染防止に気を付けたい」と話した。

高齢者接種の対象は約3600万人だ。2月半ばに先行して始まった医療従事者への接種と並行して進められる。
八王子市でも、診療所や薬局で働く医療従事者への接種は4月下旬以降の予定だ。

未接種のまま、市内の介護老人保健施設で入所者への接種にあたった市医師会の石塚太一会長(65)は
「不安はあるが、マスクや手袋を着用し、消毒を徹底して接種に臨んだ。早く医療従事者にワクチンが行き渡る仕組みを整えてほしい」と訴えた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210412-OYT1T50099/