https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210412/k10012969871000.html

擬人化した動物などを躍動的に描いた国宝の絵巻「鳥獣戯画」の全容を紹介する特別展が
13日から東京国立博物館で開かれ、4巻すべての場面が同時に公開されます。

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京都の高山寺に伝わる「鳥獣戯画」は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて描かれた4巻からなる国宝の絵巻で、
擬人化した動物たちや人間の営みが墨で躍動的に表現されています。

東京国立博物館で13日から始まる特別展では、全長44メートル余りに及ぶ4巻のすべての場面が
展覧会として初めて同時に公開され、巻ごとの特徴などを見比べることができます。

このうち、サルが水遊びをしたり、ウサギとカエルが相撲を取ったりする姿が描かれた「甲巻」は、
「動く歩道」に乗って鑑賞することで、巻き広げながら見るという絵巻本来の楽しみ方を味わうことができます。

また、絵巻の当初の姿を考えてもらおうと、巻物から切り離されて掛け軸として仕立て直された「断簡」や、
すでに失われている場面を今に伝える「模本」も展示されます。

東京国立博物館の土屋貴裕絵画・彫刻室長は「4巻すべての場面を一度に見られるのは貴重な機会で
もう二度とないかもしれない。ことば書きのない絵巻は見る人それぞれに違う物語があるので、ぜひ現物を見て、
自分だけの物語を楽しんでほしい」と話していました。

東京国立博物館の特別展「国宝鳥獣戯画のすべて」は、事前予約制で、13日から来月30日まで開かれます。