<中国疫病管理当局のトップが、ワクチンの有効性の低さを認めた。中国ワクチンに頼るブラジル、チリでも動揺が広がる...... >

中国疾病管理局のガオ・フー局長は、中西部の成都市で開かれたカンファレンスの場で、新型コロナウイルスに対するワクチンの有効性が低いとの認識を示した。
フー氏は「現行のワクチンがあまり高い保護率を有していない問題を解決してゆく」と発言した。

AP通信は4月11日、「中国高官がワクチン有効率の低さ認める」との見出しでこの一件を報じている。
記事は「疾病管理担当の中国高官が、稀に見る自認として、現行ワクチンのコロナウイルスに対する予防性能が低いこと」を認めたと述べている。

フー氏はその後AP通信に対し、「特段に中国向けだけでなく、世界のワクチン」の有効率を意図した発言であったと釈明した。
しかし、米ファイザー製および米モデルナ製ワクチンは約95%、アストラゼネカ製は最大90%と、いずれも高い有効率を示している。

どのワクチンが具体的に念頭にあったかをAP通信が重ねて尋ねたところ、フー氏から返答は得られなかった。

一方で中国では現在、集団接種用に5種類のワクチンを使用しており、各製造元は有効率を50%から79%と公称している。

香港ヘラルド紙はファイザー製ワクチンの感染予防面での有効率が97%となっているのに対し、
中国シノバック製は50.4%であったとの数字を伝え、有効率の低さを問題視している。

中国はシノバック製ワクチンを大量に輸出している。現行ワクチンの効力の低さを事実上認めた発言は、中国域外にも波紋を広げている。
輸出先のひとつに、1日あたりの新たな死者数が世界ワースト1位となっているブラジルがある。

ブラジルでは日々3000名前後が亡くなっており、これは世界の日ごと死者数のおよそ4人に1人を占める規模だ。

米ワシントン・ポスト紙は「ブラジルがすべてを賭けたこのワクチンは、製造元の国(中国)にとってさえ失望であった」と報じている。
アメリカ製とイギリス製ワクチンを確保できないブラジルでは、価格が安く流通管理が比較的容易な中国シノバック社製のワクチン「コロナバック」を1月から接種している。

ブラジルのネットメディアでは以前から、「ブラジルは二流のワクチンに甘んじている」とする内容の記事が複数出回り、国民は不安に駆られていた。
ワクチンを接種したように見せかける「空打ち」と呼ばれる行為も問題になっており、これについては医療関係者が転売のためワクチンを手元に残しているものと見られている。

ワクチンへの信頼が揺らぐなか、中国高官が有効率の低さを認めたというニュースが舞い込み、不信はさらに深刻化すると見られる。
ブラジル当局は中国シノバック製ワクチンについて、新型コロナの中度および重度の症状を防ぐという意味では78%の有効性があるが、
純粋に感染を防ぐという面での有効率は50.4%にまで低下すると認めている。

サンパウロ大学の生化学者であるフェルナンド・レイナック博士は、このような有効率50%のワクチンを仮に全国民に接種したとしても、感染症例がなくなることは期待できないと指摘する。
また、ブラジルのある細菌学者は、ワクチンへの信頼が低下することにより、接種率そのものが低下する事態を危惧している。

同じ南米のチリも接種量の9割をシノバック製に頼るが、こちらも状況は芳しくない。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は
「中国COVID-19ワクチンの1回接種による保護は限定的、チリで明らかに」と報じている。チリ当局は、有症感染の防止効果は1回接種で16%、2回接種でも67%との推定を発表した。

ワクチン自体の効果の低さに加え、2度目の接種まで効果が限定的だという説明が不十分だったことが災いした。
住民の油断を招き、1回目の接種が進んだタイミングと前後してチリ国内の感染者数・死者数は急増する結果となった。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/04/50-49_1.php

ワクチン接種のペースが世界一 国民の25%以上が中国製などのワクチンを接種したチリ、過去最大規模に匹敵する感染拡大★2
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1616291801/