※読売新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大による3回目の緊急事態宣言が発令された東京、大阪、京都、兵庫の4都府県は26日、宣言期間中で最初の月曜日を迎えた。政府や自治体は出勤者数の「7割削減」を目標に掲げるが、東京や大阪の主要駅では通勤客の目立った減少は見られなかった。

 4都府県への緊急事態宣言は新型インフルエンザ対策特別措置法に基づき、発令された。期間は日曜日の25日から大型連休を含む5月11日までの17日間。4都府県は幅広い業種に休業や営業時間の短縮を要請し、イベント開催も原則無観客とするよう求めている。人出の抑制が今回宣言下で行う対策の最大のポイントだ。

 JR新宿駅では26日午前7〜8時台、マスク姿の会社員らが絶え間なく改札を出て、勤務先へと足早に向かった。駅前の歩道は信号待ちの通勤客らで混み合い、川崎市川崎区の会社員男性(22)は「電車の中はぎゅうぎゅう詰めだった。数十分も満員電車に乗るのは怖い」と明かした。

 JR東京駅でも通勤客の姿は多く、改札口の一つに立つ男性駅員(25)は「通勤客は先週よりほんの少し減った程度」と語った。

 出勤者数抑制の鍵を握るのはテレワークだ。

 東京都は、従業員30人以上の都内の企業約400社を対象に導入率を定期的に調査している。昨年3月に24%だった導入率は、最初の緊急事態宣言発令後の昨年4月に62・7%に上昇したが、宣言が明けた6月以降は50%台で推移。今年1月に2回目の宣言が発令されると再び60%台に上がったが、解除後の3月後半には56・4%に下がっている。

 東京駅前を出勤のため歩いていた中央区の会社員男性(52)は昨春以降、出勤を週3回程度に減らしてテレワークを実践しているといい、「2人で行っていた仕事も電話でサポートしながら1人でこなすなど、柔軟に対応している」と話した。

 JR大阪駅でも26日、大勢の通勤客らが足早に行き交い、普段と変わらない混雑ぶりだった。大阪市内の税理士事務所に勤める京都府長岡京市の男性(43)は、1回目の緊急事態宣言が発令された昨春は週の半分を在宅勤務していたが、昨年5月に解除されて以降は出勤しているという。

 男性は「感染リスクを下げるため、テレワークを進めるべきだと思うが、勤務先は職員を目の届く所に置いた方が管理しやすいのかもしれない」と話した。

2021/04/26 12:15
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210426-OYT1T50116/