14:00 7秒の沈黙
 飯塚被告は図面を使いながら、東池袋交差点を左折する準備をした地点や走行ルートを説明。その様子を被害者遺族の松永拓也さんは机上で両手を組みじっと見ていた。
 弁護側に「なぜ左車線に変更したのか」と問われると「いつも左車線を走っていたので」。「カーブを曲がりきったところで車に何か起きましたか」と問われると7秒ほど沈黙。「エンジンが異常に高速回転しました」と回答した。「アクセルペダルを踏んだことは」と問われると「ありません」ときっぱりと述べた。
 「警告音が鳴ったことはありますか」と聞かれると「覚えていません」。当時の速度については50キロ〜60キロくらいだと説明。「アクセスペダルを踏んでいないのにエンジンが高回転になり速度も加速した」と述べた。
 意図しない加速が起きたときの気持ちを聞かれると「車が制御できないのかと思って非常に恐ろしく感じました。パニック状態になったと思います」と答えた。
 さらに速度が加速してどう行動したかを尋ねられると「右足でブレーキを踏みました。減速せずにますます加速しました」と話した。交差点を過ぎた後にどうしたかを聞かれると「アクセルペダルを踏んでいないのになぜ加速したのか分からなかったのでアクセスペダルを調べようと思いました。視線を落としてアクセスペダルを見ました」
 「座ったままで見ることができましたか」の問いに「できました。床に張り付いて見えました」。アクセスペダルを確認した時間については「一瞬です」と述べた。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/100570

参考

   これまでの公判では、アクセル全開でブレーキは踏んでいなかったというイベントデータレコーダーの記録や、ブレーキランプが点灯していなかったという証言が提示されている。そして今回の公判で、車は加速を続けているとされた。これに対して飯塚被告の弁護側は電子部品の経年劣化が事故の原因であるとして、過失はないと主張している。しかし松永さんは「こういった不具合が同時に起きたということなのでしょうか」と疑問を投げかけた。
https://www.j-cast.com/2021/01/19403231.html?p=all