※新潮

■パスタが390円

オリーブの丘というファミリーレストランをご存知の方は、まだまだ少ないだろう。公式サイトを見ても、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城の1都4県にしか進出していない。

4月25日現在、全ての店舗を足しても26店舗だ。都内は6店舗で、西東京市や多摩市といった郊外店も目立つ。

都心の一等地に店を構えているわけではないため、まさに“知る人ぞ知る”ファミレスと言っていいだろう。

だが、このオリーブの丘に注目が集まっている。公式サイトは店のコンセプトを《美食の国・イタリアのおいしいものをたくさん集めました》としている。

イタリア料理中心のファミレスということで、“サイゼリヤのライバル”になるかと言われているのだ。

サイゼリヤと言えば低価格で有名だが、オリーブの丘も負けてはいない。両社のメニューから類似のものを比較してみよう。1つ目の表は前菜、ドリア、ハンバーグ、そしてピザを取り上げた。

サイゼリヤの300円ドリアは、低価格路線の象徴とも言える、同社の看板商品だ。オリーブの丘が勝てないのは仕方ないだろう。

■味も遜色なし

一方、ハンバーグではなかなか善戦し、生ハムはサイゼリヤよりオリーブの丘のほうが安い。

2つ目の表は、パスタとアルコールだ。

ピザの場合は価格差が139円に達したが、パスタの場合は39円から94円までにとどまっている。

フードサービス・ジャーナリストの千葉哲幸氏は「もっと利用客が増え、知名度が上昇すれば、『自宅近くにサイゼリヤだけでなく、オリーブの丘もあればいいのに』と消費者は思うはずです」と、その経営方針に太鼓判を押す。

「互角の価格帯で、味も遜色ありません。今まではサイゼリヤの独占状態だった“低価格路線のイタリアン”市場に参入し、選択肢を消費者に与えることになります。これは全国で歓迎されるでしょう。実際に食事をして印象的だったのは、前菜が充実していることでした」

■前菜が充実

オリーブの丘の公式サイトには前菜として23品、サイゼリヤも同じ23品が掲載されている。

とはいえ、サイゼリヤの場合は季節限定の「冷たいアスパラガスのスープ」や、「エビクリームグラタン」も含まれている。厳密な意味での「酒の肴」ではないメニューも散見される。

「オリーブの丘は、いわしのマリネ、チキンやエビのアヒージョ、金目鯛のアクアパッツァなど、いわゆる都心の『バル』で人気があるような小皿料理が充実しています。私はジョッキのビール、デカンタのワイン、前菜を3品頼んで、約3500円でした。都内の『バル』なら5000円はするでしょう」(同・千葉氏)

都心に勤務するサラリーマンで、仕事が終わるとオフィス近くの「バル」でワインを呑んで帰宅するという人もいるだろう。

休日になると、彼は自宅近くのオリーブの丘で、小皿料理とアルコールを楽しむ──こんなイメージになるだろうか。

ちなみにオリーブの丘は、パスタやハンバーグ、チキンといった料理に「プラス300円でピザ食べ放題」というサービスを実施していたことがある。

■日本人の舌に合う味

※略

■ゼンショーv.s.サイゼリヤ

※略

オリーブの丘はゼンショーホールディングスが経営している。ゼンショーといえば、すき家、なか卯、COCO’Sなどで知られる。

ゼンショーはジョリーパスタというイタリアンレストランを既に運営している。公式サイトを見ると、例えばトマトソースのパスタなら693円から1199円という価格帯だ。オリーブの丘の倍と言っていい。

今後、ゼンショーはオリーブの丘に注力し、低価格イタリアンの“牙城”たるサイゼリヤを切り崩そうとするのだろうか。

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2021年4月29日 6時0分
https://news.livedoor.com/article/detail/20109698/