https://www.zakzak.co.jp/soc/news/210521/pol2105210003-n1.html
 「『強行すれば選挙は負ける』入管法改正、追い込まれ断念」−。18日の夜9時過ぎ、朝日新聞がデジタル版にあげた記事の見出しだ。編集委員1人を含む記者5人連名での“渾身(こんしん)”記事。朝日新聞の「勝ち名乗り」といった方がいいかもしれない。

 先週から嫌な予感がしていたが、2月19日に閣議決定されて国会に出ていた「入管難民法改正案」の今国会成立が断念となった。事実上の廃案とも報じられた。この結末を、筆者は極めて遺憾に思う。

 先週の本コラムでも触れたが、今回頓挫した改正は、現在の入管難民法の重大な「穴」を塞ぐための処置だ。

 一例を挙げると、現行法では、重大犯だろうが、テロリストだろうが、日本滞在中の外国人が「難民申請」さえすれば、強制的に国外退去させることができない。おまけに、難民申請は何度でもできる。この脆弱(ぜいじゃく)性を潰す目的も改正にはあった。

 菅義偉政権と自民党の不甲斐なさ、常に「選挙ファースト」で、クレーマー野党や公明党に阿(おもね)る姿にはあきれて言葉もない。こんなことを繰り返していては、自民党は、「選挙のため」を思うあまり、票を減らすことになるだろう。

 閣議決定から約3カ月、朝日新聞は、昨年来続けてきた「入管難民法改正」阻止キャンペーンのアクセルを、一層強く踏んだ。3カ月間で「入管法」に関する記事を何と63本も掲載した。特に、5月7日以降の約2週間は荒波の追い込みで、40本以上の記事を掲載している。

(略)