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YouTubeをはじめとするネット動画では1時間以上の長さは珍しい。しかしテレビ番組では1〜2時間は一般的だ。番組制作会社代表の本橋亜土さんは「テレビ番組には視聴者を疲れさせないようにする仕組みがある」という――。

■スキルの違いが尺の違いに直結している

 ユーチューブ、好きですか? 

 多くの人が「YES」と答えますよね。

 最近は、「これからはユーチューブの時代で、テレビはオワコン」なんて言われたりするわけで、テレビ業界関係者の1人として、複雑な気持ちもあります。

 と言いつつ、私自身、ユーチューブがけっこう好きです。次から次へとおすすめ動画が上がってくるので、つい時間を忘れてスマホを見てしまいます。

 では、もう1つ質問します。

 ユーチューブ動画とテレビ番組、尺が長いのはどっち? 

 ユーチューブの動画って、比較的短いものが多いですよね。短いもので数十秒、長いものでも30分くらいといったところです。

 それに比べて、テレビ番組は30分、1時間、2時間と圧倒的に長尺です。

 この違いはどこからくるのでしょうか? 

 個人が限られた時間で編集をしているから、そもそも長い動画を作れないという事情もあると思いますが、それ以外にもう1つ圧倒的な違いがあります。

 それは、

「構成」と「演出」があるか否か

 です。

 ここで言う「構成」とは、物事を伝えるための構造のこと。そして「演出」とは、物事をより魅力的に見せるためのテクニックです。

 この2つの有無、もしくはスキルの違いが、両者の尺の違いに直結しているのです。

■「チャンネルを替えられない」と思わせる仕組み

 一体どういうことなのか? 

 ここからは、番組の制作現場で実際に使われている「構成」と「演出」のテクニックを例に挙げながら、その秘密を解説していきましょう。

 これからお伝えするのは、番組を作るうえで最も重要かつ多用されているテクニックです。

 まずは、次の2つの文章を見てください。

 まったく同じことを言っている、使っている単語もほぼ同じAとB。

 しかし、ある要素を入れることで、Bのほうがより強く印象に残る文章になります。

 A 社長は、「社員全員の給料を10%アップさせる決断をしたため、会社が大きな成長を遂げた! 
B 会社が大きな成長を遂げるきっかけとなった、社長の決断。
それは! 
「社員全員の給料10%アップ」

 Bは、Aの文章に、テレビ番組でよく使われている、「振り」と「受け」という基本構造を入れたものです。Aに比べて、Bのほうがイキイキとした印象が生まれ、「給料10%アップ」がより強調されていますよね。

 この「振り」と「受け」は、番組を構成するうえでとても大事な要素です。これがあるために、「チャンネルを替えられない」「次が気になる! 」というテレビ特有の構成を組み立てることができるといっても過言ではありません。

全文はソースにて