https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20210531/6050014676.html
ワクチン 檜枝岐村は住民の8割近くが2回接種終える

高齢者の数を大幅に上回るワクチンが供給されたため、16歳以上のすべての住民を対象に接種を進めている福島県檜枝岐村では、31日で希望者への接種が完了し、全住民の8割近くが2回のワクチン接種を終えました。

檜枝岐村では、これまで新型コロナウイルスの感染者は確認されていませんが、先月行われた最初のワクチン供給で、およそ520人の住民に対し、1箱、975回分のワクチンが供給されました。

村は、およそ190人いる高齢者すべてに2回接種を行っても余りが出るため、今月7日から希望する16歳以上の住民すべてを対象に集団接種を進めていて、31日夕方、希望した住民への2回目の接種がすべて終わりました。

村によりますと、接種対象者の9割近く、全住民の8割近くにあたるおよそ400人が2回の接種を終えたということで、今後は、都合がつかず集団接種に参加できなかった住民に、村内の診療所で個別接種を行い、余ったワクチンは県と相談して提供先を探します。

2回目のワクチン接種を終えた50歳の男性は「接種が進んでいない他の自治体の人には申し訳ないが、大変ありがたいと思っています。ワクチンを打ったからといってマスクを外すことなく、今後も感染に注意していきたいです」と話していました。

檜枝岐村住民課の星友和課長は「早期にワクチン接種を進められ村民の安心安全につながっていると思うが、これから本格的な観光シーズンが始まり首都圏からも観光客が来るので、引き続き感染対策の徹底を呼びかけていきたい」と話していました。

檜枝岐村は、毎年全国から多くの観光客が訪れる「尾瀬」への玄関口で、他の地域より早くワクチン接種が終わったことに安堵する一方で、これから始まる本格的な観光シーズンを前に複雑な思い抱えている住民もいます。

村で民宿と食堂を営んでいる平野崇之さんは、31日午後、2回目のワクチン接種を受けましたが、高校1年生と中学2年生の子どもは16歳未満のため接種を受けていません。

平野さんは「ワクチンが一般の村民にも行き渡っていることはありがたいが、村を訪れる観光客の多くはまだワクチン接種を受けていないため、大きな声で『檜枝岐村に来て下さい』と言えず、ジレンマを抱えています。少しでも早く観光客が気兼ねなく村を訪れることができるような状況になってほしいです」と話していました。

05月31日 18時23分
NHK