Web東奥6/5(土) 8:37

 厚生労働省が4日発表した2020年の人口動態統計によると、青森県の悪性新生物(がん)の死亡率(10万人当たり)は407.2で、8年連続で全国ワースト2位となった。糖尿病死亡率は3位と依然悪い水準にある。医療関係者は「短命県返上には、生活習慣の改善や健診受診、早期受診が大切。これらを地道に取り組んでいくべきだ」と話す。

 20年の青森県の死亡者数は1万7905人と前年の1万8424人に比べ519人減った。県は、新型コロナウイルス感染症対策などによってコロナ以外の疾患の死亡などが減ったことも影響した−とみる。

 青森県全体の死亡率(10万人当たり)は1461と、全国で2番目に悪かった。疾患別の死亡率は、がんが全国ワースト2位になったほか、心疾患が前年と同じくワースト7位。2年連続全国ワーストだった糖尿病は3位に改善した。肺炎はワースト7位から5位に悪化した。

 がん死亡率の高さについて、弘前大学医学研究科腫瘍内科の佐藤温教授は「青森県は、がんの症状が進んでから医療機関を受診する傾向があるのではないか」と分析。「1次検診で異常があれば、しっかりと精密検査を受けることが大切かもしれない」と述べた。

 糖尿病治療の現状について長谷川範幸医師(ひろさき糖尿病・内科クリニック院長)は「治療を中断するケースが気になる」との見解を示し「糖尿病は、動脈硬化を招き、心筋梗塞や脳卒中の原因となる。免疫力低下によって感染症に罹患(りかん)しやすくなる。継続的な治療が大切」と語った。

 弘前大学の中路重之特任教授は、短命県返上のポイントとして、正しい生活習慣、健診受診、継続的な治療などを挙げ「それぞれの行動の根本となるのは、健康教養。慌てることなくじっくり取り組むべきだ」と語った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e5ba2775f7bfb34fe36c574a2f42e23d9ce2f4e3