新型コロナウイルスの感染情報を巡り、インターネット上のデマや中傷が後を絶たない。宮城県大河原町の丸山勝利町議(55)も被害に遭い、デマをネット掲示板に書き込まれた。丸山さんは看過できないとして宮城県警大河原署に名誉毀損(きそん)容疑で被害届を出した。

 掲示板は地域情報を扱うサイト「爆サイ.com」。「大河原町コロナ」というスレッド(特定の話題を扱うコーナー)にデマ投稿があった。
 県は5月上旬から中旬にかけ、大河原町で3件のクラスター(感染者集団)が発生したと発表。このうち5月10日に飲食店の情報を公表して以降、スレッドの書き込みが増え、丸山さんを指していると推察される書き込みも投稿された。
 「議員の○山はここで感染 辞職しないのかね?」「飲み屋で○山議員がいて(中略)クラスターが実際にあった」
 当初は静観していたが、知人から「感染したのか」「大丈夫か」といった問い合わせが相次いだ。丸山さんはクラスター発生の飲食店に行ったことがなく、感染者でも濃厚接触者でもなかった。
 実際に町内で「丸山は感染したが、町議だから公表されない」とのうわさが広まった。「議員活動に加え家族にも影響を与える」と考えた丸山さんは、被害届を提出することを決めた。
 丸山さんは「感染者が出るたびに真偽不明の情報が飛び交う。被害を受け深刻さを実感した。ネットの書き込みで不幸な事件も多数起きている。被害届を出したことで、同様のデマや中傷を防ぐきっかけになってほしい」と話す。

河北新報 2021年06月09日 06:00
https://kahoku.news/articles/20210608khn000032.html