新型コロナウイルスに感染し、自宅療養する患者が激増している。患者の年齢、持病の有無などを点数化して入院の優先度を判断する仕組みを昨年12月に導入し、入院患者を絞り込んでいる神奈川県。6日時点の県内の自宅療養者は9786人で前日より605人増えた。自宅療養者に症状が悪化していないか確認し、入院させるか判断している医師や看護師を取材した。(石原真樹)

◆電話で聞き取り
 「せきが出ていますね。しんどいですよね」。4日午前9時半ごろ、鎌倉市内のビルの1室で、看護師の榛葉由美さん(51)は自宅療養中の患者に電話した。食事や水分が取れているか、解熱剤が足りているかなど10分ほどで聞き取り、最後に「何かあれば電話してくださいね」と声をかけた。
 榛葉さんは市医師会と看護師でつくる自宅療養者の支援体制「コロナサポート鎌倉」の責任者。この日は当番の看護師3人で43人に次々に電話した。解熱剤やせき止めなど薬の処方や診察、入院が必要と思ったら医師に依頼する。午前中に電話をかけて状態が悪そうな人などは夕方にもう1度電話。高熱が続いたり血中酸素飽和度が低かったりする患者は訪問する。
◆若いから優先度低く…
 この日は1週間ほど40度前後の高熱が続いた20代男性の自宅を訪れた。若くて基礎疾患がないため入院の優先度が低いと判断されたが、玄関先に現れた男性は、質問に答える間に何度もせき込み、途中で「座っていいですか」としゃがみ込んだ。それでも若いから優先度が低いとして、自宅療養継続を決めた。
 県は「第3波」が始まった昨年12月、入院患者を制限して病床逼迫を防ぐため、「75歳以上は3点」「人工透析は6点」などリスク因子を点数化し、入院の優先度を判断する独自の制度を導入した。入院の目安は5点。重症者や重症化リスクの高い人以外は原則自宅療養とする国の方針を先取りした形だ。
 ただ、県内では自宅療養中に死亡した患者もいて、県は入院基準には満たないが「スコアが3点以上」「血中酸素飽和度が95%以下」など悪化リスクの高い自宅療養者の健康状態を、地域の看護師や医師が確認する仕組みをつくった。鎌倉市では5月に始めたが、それでもリスクの判断は容易ではない。
◆これ以上患者増えたら…
 市医師会の河郁京担当理事(56)は「若いと体力があって高熱でも1週間頑張れてしまうが、往診したら肺炎の疑いがあり入院と判断したケースもある」と話す。一方で、苦しそうだったのに3日後に回復する患者もおり「ある時点から良くなるのか悪くなるのか医師でも分からない。コロナは千差万別でデータで語れない部分があり、個々を見ていく必要がある」。山口泰会長(62)は「体制を整えてもこれ以上患者が増えれば対応できない。国には患者を増やさない方策をやってもらいたい」と話した。

東京新聞2021年8月7日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/122487
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