――佐藤氏が主催する研究で、日本人の6割がデルタ株に対する免疫反応を十分に起こすことができない可能性があるという結果が出ました。つまり、日本人はデルタ株にかかりやすいということでしょうか。

 日本人の6割は、HLA−A24という細胞性免疫を保有しています。HLA−A24は、免疫反応をつかさどるHLA(ヒト白血球抗原)の一種。このHLA−A24という免疫から、デルタ株は逃れることが研究でわかりました。

 だからと言って、日本人だけが、デルタ株に対する免疫が弱いというわけではありません。たくさんある免疫のうちの1つをすり抜けていくというだけです。1つの免疫を逃れることにより、どれほどインパクトがあるのかは、まだわかっていません。デルタ株は、世界中で流行しているので、日本人だけがかかりやすいとは言えません。

――第5波はピークアウトの兆しが見えません。どのような状況になったら減少傾向になると推測できますか。

 人の行動が減らない現状からすると、難しいと思います。これまでの波は、緊急事態宣言が発出されたからピークアウトしたのではありません。緊急事態宣言が発出され、実際に人の行動が変化したから減っていました。第5波では、行動が変化しているのか疑問です。

 ピークアウトどころか、現状のまま人々の行動が変わらなければ、感染者数は増え続けると思います。毎日、夕方に感染者数が発表されますが、おそらく東京都の場合は、現在の検査体制のままだと5000人台で頭打ちでしょう。見た目上はこの数字が続くでしょうが、実際の感染者はもっと多いはずです。8月以降、都内の陽性率はずっと20%を超えています。この数値は、はっきり言って異常です。

全文はソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/971594bc3449de25774614129c28f6e754fb6e7e