足が震え、血の気がひいた」。新型コロナウイルスの米モデルナ製ワクチンで異物混入が見つかった問題で、使用見合わせとなったロットを接種した都内の女性会社員(47)は不安を口にする。

28日には男性2人の死亡例が発表された。ワクチン接種との因果関係は不明で、女性は「情報がほしい」と訴えている。

8月25日、女性は東京都港区の大規模接種会場で2回目の接種を受けた。
翌日、副反応とみられる38.8度の発熱に見舞われる最中、異物混入のニュースを知った。

異物は16日以降、各地で断続的に見つかり、国内供給を担う武田薬品工業に報告された。

女性は「16日に分かっているのに、なぜ25日まで接種させたのか」と憤る。


さらに、死亡例の報道で動揺した。男性の1人は接種2日後に熱が下がり就寝後の翌朝、死亡が確認されたという。

女性は「自分にも起きるんじゃないかと思い、不安でしょうがない。心配をかけるから親にも言えない」と明かす。

河野太郎・行政改革担当相は今回、使用を見合わせたワクチンは「50万回が接種済み」と述べている。
厚生労働省によると、ワクチン接種後の死亡の報告は、8月8日までにファイザー製が991人、モデルナ製が11人で、いずれもワクチンと死亡の因果関係は「認められない」か「評価できない」とされている。

女性は「行政からは何の連絡、確認もなく放置されている。体に異物が入ったら一生残るかもしれない。正しい情報を出してほしい」と話した。


2021年8月29日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/127482