昭和42年に茨城県で起きた「布川事件」で強盗殺人罪に問われ、平成23年に再審無罪となった桜井昌司さん(74)が、国と県に損害賠償を求めた訴訟で、検察や警察の捜査の違法性を認め、計約7400万円の支払いを命じた東京高裁判決が13日までに確定した。国と県が上告しなかった。判決の確定を受け、桜井さんが東京都内で記者会見する。

8月27日の高裁判決は、一審東京地裁判決が違法とした警察官の取り調べに加え、捜査段階の検察官の取り調べも「うそを告げて自白を強要する違法な行為だった」と認定した。その上で、違法捜査で引き出された自白がなければ、強盗殺人罪で逮捕・起訴され、有罪判決を受けることはなかったと結論付けた。

桜井さんは知人の杉山卓男さん(平成27年死去)とともに逮捕され、昭和53年に強盗殺人罪で無期懲役が確定。平成8年の仮釈放まで29年にわたり身柄を拘束された。

https://www.sankei.com/article/20210913-KGYAEOLF65KLJJPEKLQBPPEDL4/