9/15(水) 10:30
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Web東奥

 弘前市議会予算決算常任委員会は14日、市内学生にアップルパイを配る事業費を含む2021年度市一般会計補正予算案を可決した。新型コロナウイルス禍での食の支援策として市が予定する同事業を巡り、一部委員はアップルパイではなく米などの主食を配るよう求める付帯決議案を提出したが、賛成少数で否決された。

 議員全員が所属する同委で付帯決議案を提出したのは、会派「さくら未来」の今泉昌一、竹内博之、無所属の石岡千鶴子、成田大介の4委員。学生の食を支援すること自体に異論はないとして予算案に賛成した上で、付帯決議案を提出した。

 今泉委員は議場で「アルバイトや仕送りが減り、生活費に困っている学生がいる状況を鑑みると、主食を支援するべきだ」と趣旨を説明。決議案の採決では、4委員以外に賛成者はいなかった。

 補正予算案は定例会最終日の24日に本会議で改めて採決する。市議会事務局によると、仮に付帯決議が成立しても法的拘束力はない。委員会で付帯決議案が提出されたのは初めて。

 市は、学生への支援と地域の魅力を知ってもらうことを目的に、市内の大学や専門学校11校に通う学生約6千人にアップルパイを配る方針。事業費は264万円。配布時期は11月を予定している。

「特に女の子たちは楽しみにしている」/配布巡り議運委員

 新型コロナウイルスの影響を受ける学生への支援策としてアップルパイを配る弘前市の事業を巡り、14日の市議会議会運営委員会の休憩中、与党会派「櫻鳴(おうめい)会」の松橋武史委員が「学生たち、特に女の子たちはアップルパイを楽しみにしている。お米を食べない女の子もいる」と強調する場面があった。

 市議会は一部議員が提出した付帯決議案の審議手続きを確認するため、採決に先立ち同委員会を開いた。ただ、付帯決議案は、アップルパイを配布する事業として可決した一般会計補正予算案の前提を覆すものだとして付帯決議案の成立そのものが議論になり、委員は会議録に残らない休憩の形で意見を整理した。松橋委員は「議会がアップルパイを米に変更するのはいかがなものか」と述べた。

 休憩時の発言について、松橋委員は終了後の取材に対し、実際の女子学生の声だと説明。「米は食べずパン派という学生もいて、好みは千差万別。いただけるなら何でもありがたいという学生も多いと思う」と話した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0cce2c69d56c1c3d8ceea365d11ffd6cbc946ff8