1回目の投票で決着をつけるためには、過半数383票以上の得票が必要だ。このシミュレーションでは河野氏は70票以上積み増さなければならない。
国会議員票が30票以上多く出たとしても、党員票で全体の60%を超える230票以上が必要となる。
そのため河野陣営の中でも「決選投票は避けられない」との声が大きくなっている。

■高市氏2位の可能性とそれを阻む論理

 他方、得票差が小さいのが2位の岸田氏と3位の高市氏だ。高市氏の党員票が予想以上に伸びたり、
逆に岸田氏の票が目減りしたりすることがあれば、高市氏が2位に浮上してくる可能性がある。

 ただ、ここに来て高市氏の2位浮上に障害が出てきた。それは、決選投票が〈高市氏VS河野氏〉になった場合、
岸田氏支持議員のなかに、タカ派と見られている高市氏に乗れない議員が少なからずいて、河野氏に有利に働くという見方だ。
ある岸田派幹部は「高市さんは心配だ。米国の中距離ミサイルを日本に配備するというのはちょっとどうかと思うな」と話し、
決選投票では高市氏に投票しない意向を滲ませる。

 そのため「とにかく河野総裁誕生を阻止するには、高市氏を敢えて3位にとどめておいた方がいい」という声が高市氏支持議員の中にもあり、
調整しようとする動きが出ている。つまり、高市陣営のなかには、たとえ高市氏が決選投票に進めなくても、河野氏の勝利だけは阻止したいと考える向きがあるのだ。
これに対して高市氏を強力に支援している安倍前首相は、「そんな都合のいい2・3位連合はありえない。どちらでも3位になった方が2位の支持に回るのが当然だ」として引き締めを図るなど、
陣営内でも考えが割れている。

 また河野陣営の議員も「2位は岸田さんより高市さんになってほしい」と口を揃える。
そこで「1回目の投票で河野氏の票を高市氏に回してはどうか」という声も出てきていて、最終盤に向けて駆け引きが激しくなる模様だ。

 大方の予想通り、岸田氏が2位で決選投票に進んだ場合、高市票のほとんどが岸田氏に乗ることになる。
2人の票を合わせると240票に達して、それだけで当選ラインの過半数215票を超える。今後、情勢に大きな変化がなければ、岸田氏勝利の公算が高い。

(全文はソースにて)
https://news.yahoo.co.jp/articles/d3cd2709dee1e544e47ca293c19f4a8d172e0fb6